仕事を面白くするには

ホームヘルパーにとって、最も大切な基本原則に利用者主体という言葉があります。

これは、利用者の思いを尊重して介護を行いましょうという意味ですが、障害や認知機能の低下のため、利用者と言葉での会話が困難なケースの仕事もたくさんあります。このような場合、どのようにして利用者の思いを尊重すればよいのでしょうか。

まずは、利用者の表情や仕草、身体の動きなど、言葉以外のサインをよく観ることが大切です。例えば、食事中に、言葉の話せない利用者の表情が険しくなったり、逆にとても笑顔になったりと、よく表情を観察することで、利用者の食事の好みが分かることがあります。

また、言葉での会話が困難な利用者には、意識的に声をかけ、周囲のコミュニケーションから取り残されないような配慮をホームヘルパーがとっていくことも大切です。介護に入ったものの、家族とばかり話をして、気がつけば利用者をコミュニケーションから置き去りにしてしまったという話は意外と多くあります。そうですよね、まだまだ暑いですよね、Aさんなどのように、ちょっとした天気の会話の中でも、利用者を巻き込みましょう。たとえ返答ができないにしても、表情を見ながらしっかりと声をかけていくことが大事なのです。

言葉での会話ができない利用者に対して、表情を観ながらしっかりと声をかけていく。これができるか否かで、ホームヘルパーの仕事内容がただの作業になるのか、温かくて面白いコミュニケーションになるのかが分かれます。しっかりと利用者主体を意識すれば、ホームヘルパーの仕事は、本当に面白くてやりがいがあるものになります。