調理支援のコツとは

訪問介護における調理支援では、食事内容を工夫したりしても、なかなかホームヘルパーが作った食事を食べてくれないということがあります。食卓に食事を並べても、いつも座っているソファーに移動して、露骨に避ける利用者も少なくありません。

こうしたケースでは、まず食べる環境を変えてみることが大事です。いつも座っているところやくつろいでいるスペースがあるのなら、テレビを見ている時でもいいので、ゼリーなどの軽食をすすめてみます。食事は、食卓でとこだわらないことも大切です。

また、認知症の人の場合、急に水やお茶を飲まなくなってしまうことがあります。たとえば、家族がよかれと思ってプレゼントした湯飲みでも、それが水やお茶を飲んだりするものだと認識できなくなることがあります。以前から使用していたものに戻すことで、再び飲んでくれることが多いようです。湯飲みに限らず、認知症の人の自宅で介護する場合には、本人が認識しづらくなるものに変更することは控えることが重要です。

そして、3食や食事の時間などにこだわる必要もありません。基本的に1週間で必要な栄養素を摂取するという目標ですすめていけば、問題ありません。レビー小体型認知症でパーキンソンの症状もある人のケースでは、すぐに立って歩き回り、食卓に座らないことも普通です。歩いているときに、ドリンクタイプの栄養食品を飲ませたり、凍らせて食べてもらうなど、とにかく栄養を入れてもらうことを考えることも時には必要です。